司書のオススメ

掲載日 2017-01-05 00:00:00
タイトル 氷の海のガレオン/オルタ
著者 木地雅映子/著
著者
出版者 ジャイブ株式会社
資料の種類
メッセージ全文 「何度も読み返したい1冊」

主人公の杉子は小学6年生、自分を「天才」だと信じている女の子です。自由な両親を持ち、たくさんの本を読んで育った彼女は、学校では自分の言葉で話しても通じず、同じ年頃の子どもたちになじめません。ずっと1人で本を読んで過ごし、まわりとは距離を置いているので、「学校なんてなけりゃいい」と思っていました。

クラスメイトに対して、「めんどうだから係わりたくない」「ばかばかしくて仲間になんか入りたくない」と思う一方で、「あたしは変わっているのだろうか」「ふつう、がしあわせなのかもしれない」とも考える杉子。YA世代のみなさんも、こんな気持ちになったことがあるのでは? けれど多くの人は、彼女のように1人で戦い続けることはできず、なんとなくまわりと話をあわせて、うまく生きていくのでしょう…。

あなたが杉子と同じくらいの年齢で、「自分は他の人とは違う」と感じたことがあるなら、少し読むのがつらい本かもしれません。でも同じ本を10年後に読んだ時、20年後に読んだ時、10代では気づかなかった事に気づいたり、また別の感情が生まれてきたりするのが、読書の良いところだと思うのです。今は胸に痛い言葉でも、数年後には素直にうなずけるかもしれません。

 ベストセラーを読むのはもちろん楽しいのですが、世間で話題になった本以外にも、おもしろい本やすてきな本はたくさんあります。いくつになっても読み返したくなるような1冊に、図書館を通して出会ってもらえればうれしいです。

(太白図書館 M)