司書のオススメ
掲載日 | 2018-08-30 00:00:00 |
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タイトル | カキフライが無いなら来なかった |
著者 | せきしろ/著 又吉直樹/著 |
著者 | |
出版者 | 幻冬舎 |
資料の種類 | 本 |
メッセージ全文 |
★☆★「その一文にこめられた」★☆★ この本のタイトル「カキフライが無いなら来なかった」。独り言のような、誰かへの返事のような、この言葉がでてくるまでにどんないきさつがあったのかつい考えてしまう一文です。これが俳句だと気づいた人はいるでしょうか。 全然五・七・五じゃないしどこが俳句なの?と思うかもしれませんが、私たちが普段よく見聞きする俳句は定型律俳句というもので、文字通り型が決まっており五・七・五の十七音で詠みます。それに対して、決まった型の枠にとらわれず、感情の動きを自由に詠んだものを自由律俳句といいます。種田山頭火などが自由律俳句を詠んでいます。 この本にはせきしろ、又吉直樹、二人の作者が詠んだ自由律俳句と散文が収録されています。定型がないとまるでただのつぶやきみたいにも思えますが、一つ一つの句が妙に頭に残ります。短い言葉のなかにこめられた作者の感情の波が確かに伝わってくるのです。それは共感して笑えるものであったり、憤りやかたわらにある寂しさであったり、はっきりどんな感情とも位置付けられない何かもやもやしたものだったり様々です。 過ぎてゆく夏の暑さが残る夕暮れ。寝付けなかった真夜中。そんな時にそっと開いてみてほしい本です。読んでいるうちに、ふと、自分の心の波打ちをつぶやいているかもしれません。続編の「まさかジープで来るとは」もあわせて是非。 (市民図書館 笹の葉) |
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