司書のオススメ

掲載日 2019-10-24 00:00:00
タイトル 名作うしろ読み
著者 斎藤 美奈子
著者
出版者 中央公論新社
資料の種類
メッセージ全文 名作うしろ読み

斎藤 美奈子/著 -- 中央公論新社

「文句を言ってないで読みなさい」
 名作の書き出しは、みんなけっこう知っているけど(試験に出るしね!)、最後の一文は覚えてますか?
 この本は、古今東西の名作132冊のラスト一文がずらりと載っています。「走れメロス」「伊豆の踊子」「ハムレット」「赤毛のアン」等々…この中で、何冊読んだことあります?!
 まだ読んでないのに最後を知ってしまったらますます読まなくなっちゃうんじゃ?なんて考えたアナタ。
 この本を書いた斎藤美奈子氏はこう言い放っていますよ。
「それがなんぼのもんじゃい。お尻がわかったくらいで興味が半減する本など、最初から大した価値はないのである」
 確かに、『竜馬がゆく』を読んでなくても、坂本龍馬が暗殺されたことは常識だし、メロスが最後まで走り続けることも知っているひとは多いですよね。
 斎藤氏はまた、人々がある程度内容を共有している作品、「お尻」を出しても問題のない作品が「古典」で「名作」なのだ、とも言っています。
 ぜひ「最後の一文」を読んでみて!きっと好奇心がムラムラわいてきちゃいますよ。さすが古典。
 それに「細雪」ってこんな話だったっけ?!みたいな目からウロコがボロボロ落ちちゃう話もいっぱい。
 ぜひ、秋の夜長を過ごすための1冊を探してみてくださいね!

市民図書館 しば