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掲載日 | 2025-05-30 10:00:00 |
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タイトル | |
著者 | 吉野万理子/著 |
著者 | |
出版者 | あすなろ書房 |
資料の種類 | 本 |
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メッセージ全文 |
『いい人ランキング』 吉野万理子/著 あすなろ書房 ★☆★「『いいひと』には二種類いるんだよ。 心底いい人と、いい人を演じてる人と」★☆★ 「クラスで一番性格のいい人を決めない?」 この提案で、桃のクラスは、性格のいい人を決める「いい人ランキング」を行うことになりました。投票の結果、桃は断トツで票を集め、見事1位に選ばれます。これまで自分がいい人だと意識したことがなかった桃は、戸惑いながらもクラスのためにこれからも「いい人」として役に立とうと振る舞います。 「いい人」はいつも笑顔。「いい人」はいつも親切。「いい人」はポジティブなことしか言わない。 そんな「いい人」になろうと、桃はクラスメイトから頼られれば、テスト前にノートを見せたり、日直の仕事を代わってあげたり、ジュースをおごってあげたりしてしまいます。たとえ本心では望んでいなくても、クラスメイトに「いい人」と思われたくて、断ることができないのです。 これくらいは大丈夫。「いい人」なんだから当たり前。もやもやする気持ちを無理やりごまかしてきた桃でしたが、クラスメイトの要求は、だんだんと「いじめ」の形を取り始め…。 「いい人」というのは、明確な基準がない分、選ばれた人のハードルは、どこまでも高くなってしまいます。もともと真面目で人のいい桃は、その優しさにつけ込まれ、クラスで孤立してしまいます。しかし人間は、本来だれもがいい面と悪い面の二面性を持っています。一つの面にとらわれず、あらゆる面を認めることができれば、自分だけでなく他人のことも認められるかもしれません。 いじめに関する具体的な対策があったり、希望のある終わり方なので、今つらい思いを抱えている人が、少しでも新たな可能性を見つけるヒントになればと願う一冊です。 (若林図書館 鎌田k) |
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