司書のオススメ

掲載日 2021-04-22 00:00:00
タイトル 文豪妖怪名作選
著者 東 雅夫/編
著者
出版者 東京創元社
資料の種類
メッセージ全文 『文豪妖怪名作選』
東 雅夫/編
東京創元社

★☆★妖怪って妖しい怪しい面白い!★☆★

 アニメや漫画のキャラクター、あるいは特撮の怪人など、今や妖怪が創作のモチーフとして用いられることが多くなりました。河童や天狗、座敷童などの多種多様な妖怪という存在に魅せられ、心を揺さぶられた方が多くいることの裏返しなのかもしれません。この文章を書いている私自身も子供の頃にカクレンジャーの妖怪を見て以来、今も妖怪が大好きでたまらないくらいなのですから。(ちょっとした余談ですが、カクレンジャーの妖怪は洋風のアメリカンなデザインになっていたため、その妖怪が元々はどのような姿をしていたかを浮世絵風の絵を用いて解説する趣向が凝らされていました)
 そこから妖怪に関する本や小説、ゲゲゲの鬼太郎などの妖怪漫画をたくさん読むようになり、気付けば妖怪のない日常なんて考えられないくらいにハマり込んでいました。
 なので、お休みの日は妖怪の本を読んでいるだけで1日が終わってしまうなんてことも多々あります笑。
 そんな自称“おばけずき”の私が、皆さんにおススメしたいのがこちらの本。なんと文豪が書いた妖怪にまつわる小説を集めたアンソロジーなのです。お化け文豪として有名な泉鏡花はもちろん、明治大正期の文壇で活躍した他の作家たちも妖怪を創作のモチーフにしていたことが分かる1冊になっています。私も初めて読んだ時は、名だたる文豪たちも自分と同じ“おばけずき”の感覚を持っていたことが嬉しくてたまりませんでした。
 この作家も妖怪の話を書いていたのか!こんな妖怪の話があるんだ!この本を読んだ皆さんがそうした発見や驚きを得られたなら、“おばけずき”としてこんなに嬉しいことはありません。
 ほら、表紙の妖怪たちが早く読んでおくれ~と皆さんを待ちわびているようですよ。
(若林図書館 ぶっさん)