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掲載日 2020-10-23 00:00:00
タイトル 檻の中のライオン
憲法がわかる46のおはなし
著者 楾 大樹/著
著者
出版者 かもがわ出版
資料の種類
メッセージ全文 『檻の中のライオン
憲法がわかる46のおはなし』
楾 大樹/著 
かもがわ出版
 これは違憲だとか合憲だとか、改正するとかしないとか。憲法の話題ってよく聞くけど、いまいち分かんないな。なんでそんなこと話しあっているのかも分かんないし、政治家の人が何してるのかもよく分かんない。……でもいい歳してこんなこと訊きづらいな。公民とか政経とか苦手~!
 こんなことを学生時代から長い間こっそりと思っており、恥を忍んで親や友だちに訊いては勉強しろと返され、本を手に取るも小さい字で、よく分からないことが書いてある(あちらこちらで小難しい言葉が出てきて、注釈の文字どころか表やグラフにも細かい字が書いてあるので、目がシパシパする。そんな風に感じていました。)ので、どうにも頭に入ってこなくて……。だからあきらめて、苦手な自覚があるのに、憲法や政治、社会科に関する本からずっと遠ざかっていました。
 しかしある日、図書館の一般書(大人向けの本)の棚から、この絵本みたいな可愛らしい本を見つけたのです! 苦手な分野だからと普段なら素通りしていくところ、たまたまこのコミカルな動物たちの表紙が目に入りました。中には憲法ってなんであるの、誰のためにあるの、どんなことが書いてあるのということが、見開きカラーで見やすく書いてありました。各頁に挿んであるイラストもその趣旨が分かりやすく、目がシパシパする頭がクラクラする~ということもなく、「いみわかんないよ」の私にも、憲法の指していることが直観で分かるようにまとめられてありました。
 これで憲法の全部が分かる! という本ではありません。でも私にとって、この本を手にすることは、投票って何のために行くの? 政治家って何のためにいるの? 憲法って何なの?? ということを考えるーー苦手な政治の話題に触れる第一歩となりました。今でも、決して得意な分野になったなどと言えるわけでもなく、やはり文字が細かいと敬遠してしまうジャンルですがそれでも、何かあれば、ちょっと調べてみようかな、と思えるようになったことも確かです。

 苦手なことから、苦手意識がなくなる。好きじゃないことも、ちょっと考えてみるきっかけになる。皆さんも図書館でそんな本に出会えたらいいなと思います。(榴岡図書館 I)