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掲載日 | 2018-09-28 00:00:00 |
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タイトル | 宇宙のみなしご |
著者 | 森絵都/著 |
著者 | |
出版者 | 角川文庫 角川書店 |
資料の種類 | 本 |
メッセージ全文 |
★☆★頭と体の使い方次第でこの世界は明るいものにもさみしいものにもなるんだ★☆★ 中学2年生の陽子と1つ年下の弟リンは仲のいい姉弟。両親は共働きで忙しく、ほとんど家にいないので、2人は幼いころから退屈しのぎに、自分たちで遊びを考え過ごしていました。新しく考えた遊びは「真夜中に近所の家の屋根にのぼること」でした。 その2人だけの遊びに、ひょんなきっかけから仲間が加わります。仲良しグループからはずされた七瀬さん。パソコンおたくで気が弱くクラスで孤立しているキオスク。いよいよ4人で真夜中に屋根にのぼる日、キオスクは怖気づいて屋根のぼりから逃げてしまいます。その次の日からキオスクは学校にもこなくなります。それからしばらくして、キオスクが救急車で病院に運ばれた、という連絡が学校に入り、学校側では自殺しようとしていたのでは…と大問題になります。しかしその真相は…。 「大人も子供もだれだって、一番しんどいときは、ひとりで切りぬけるしかないんだ。ぼくたちは宇宙のみなしごだから、自分の力できらきら輝いてないと、宇宙の暗闇にのみこまれて消えちゃうんだよ。だからこそ、ときどき手をつなぎあえる友達を見つけなさいって、富塚先生言ったんだ…。」一学期で学校を辞めてしまった、陽子たちの担任だった富塚先生が、辞めるまえキオスクを心配して言った言葉が印象的です。 自分の思い通りに生きるってとっても難しいこと。だれだって悩んだり、つらかったり、壁にぶつかってしまうことがあります。でも結局は1人で乗り越えていかなければならない。何があっても逃げ出さずに、心の休憩をしながら乗り越えていきたいと勇気をもらえる作品です。 (泉図書館 マメ) |
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