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掲載日 | 2021-11-25 00:00:00 |
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タイトル | 袋鼠親爺の手練猫名簿 |
著者 | T.S.エリオット/著 |
著者 | アクセル・シェフラー/画 柳瀬 尚紀/訳 |
出版者 | 評論社 |
資料の種類 | 本 |
メッセージ全文 |
『袋鼠親爺の手練猫名簿』 T.S.エリオット/著 アクセル・シェフラー/画 柳瀬 尚紀/訳 評論社 読書していると、読んでいる本の上に乗って動かなくなってしまう猫がいるそうですね。猫を飼ったことがない私からすると、それは迷惑だなぁと思うような、うらやましいような…。 この本には、さまざまな猫が登場します。本の上に居座りそうな猫や、本にいたずらしそうな猫。そんな身近な猫が出てくれば、船に乗って暴れまわる隻眼の猫や、夜行列車を取り仕切る仕事熱心な猫も出てきます。知られざる猫の世界のようでもあり、現実にいる猫を幻想的に描いたようでもあります。猫好きな人も猫好きでない人も、独特な世界観のある詩を楽しめることでしょう。 英語の詩ではよく韻が踏まれていますが、この翻訳も、日本語で韻を踏んでいます。ラップみたいに感じるかもしれません。猫の名前もちゃんと翻訳してあって、ラム・タム・タガーは「ヘンテコヘントラ」、スキンブルシャンクスは「スバシコスラリン」。英語をそのままカタカナにするのではなく、英語の言葉遊びをくみ取って日本語にしてあります。 こんな凝った訳をしたのは、翻訳家の柳瀬尚紀さん。主に若い世代の読者に向けた前書き「半猫人の前口上」から読んでみてください。前書きからこんなに面白いなんて!とびっくりしますよ。河出書房新社から出版されている『キャッツ ポッサムおじさんの実用猫百科』(E.ゴーリー/挿画、小山太一/訳、2015年)もありますが、こちらは七五調になっていて、読み比べるのも楽しいです。 このエリオットの詩は、ミュージカル「CATS」の原作になっています。図書館には、CDやDVDもあります。ミュージカルを自由に観に行けるようになるまでは、おうちで楽しんでおきましょう。 (若林図書館 つっきー) |
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