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掲載日 | 2018-11-29 00:00:00 |
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タイトル | 羊と鋼の森 |
著者 | 宮下奈都/著 |
著者 | |
出版者 | 文藝春秋 |
資料の種類 | 本 |
メッセージ全文 |
★☆★「こつこつ、こつこつ つみかさねること」★☆★ 「森に近道はない。自分の技術を磨きながら一歩ずつ進んでいくしかない。目指す場所ははるか遠いあの森だ。」 高2の秋、試験期間中の放課後の静かな体育館だった。ピアノの調律に居合わせた僕は、調律が終わるまでの2時間、ただ、それを見ていた。そのピアノの音に、‟秋の夜になりかけの森の匂い“を感じたのだ。 羊のフェルトのハンマーが、鋼の弦を叩くことでピアノの音が生まれる。調律に魅せられた僕は、その調律師・板鳥さんの勧めで専門学校に2年通うと、板鳥さんのいる会社に入社し、調律師として歩き出した。5か月後、ようやく調律の現場に立ち会えることになった僕が出会ったのが、和音と由仁の双子だった。 無私無欲で、無味無臭で、裏表がなく、かといってぱっとあかるいわけでもない、山育ちの外村は、ただ、自分の選んだ調律師という道をもがきながら、ひたすらこつこつと進む。外村の仕事に派手な部分は一切ない。ピアノのある家に行き、持ち主の希望を聞いて、ピアノを調律する。「膨大な、気が遠くなるようなこつこつから調律師の仕事はできている。」と感じながらも歩みを止めない彼は、これからもこつこつとピアノと向き合い、はるか遠い森を目指して調律の仕事を続けていくのに違いない。 「外村くんみたいな人が、根気よく、一歩一歩、羊と鋼の森を歩き続けられる人なのかもしれない」 わたしは外村をうらやましく思う。 (宮城野図書館 あおぺん) |
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