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掲載日 | 2023-07-28 10:00:00 |
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タイトル | |
著者 | 熊谷はるか/著 |
著者 | |
出版者 | 河出書房新社 |
資料の種類 | 本 |
メッセージ全文 |
『JK、インドで常識ぶっ壊される』 熊谷はるか/著 河出書房新社 ★☆★「カオスの中で見つけたもの」★☆★ 今や人口世界一の座に君臨するインド。 あなたはこの国について、どんなことをイメージしますか?そして、もし現地に住むことになったとしたらどうしますか? 中高一貫校に通い、あと一年で憧れのキラキラ女子高生になれることに夢をふくらませていた中三の夏、著者は父親の転勤で突然、インドで暮らすことになります。 「頭に布みたいなのをぐるぐる巻いて、おでこに赤い点をつけてて、数学がめっちゃできて、カレーばっかり食べてるひとたち」。 まさにステレオタイプのインド人の認識しか持ち合わせていなかった彼女を待ち受けていたのは、想像を超える驚きの日々でした。 生まれてから一度も髪を切らないシーク教徒、招待されても二時間は遅れて行かなければならない暗黙のルール、ゆる~い時間感覚、感覚の次元が違いすぎる激甘なデザート、そこらじゅうにいる野良犬たち…。 新しい発見と愛すべき出会いを体ごと受け止め、持ち前の適応能力で馴染んでいく一方、目の当たりにしたのはカースト制度や貧富の差、ストリートチルドレンにスラムの実態。カルチャーショックどころではない衝撃を受けた彼女は、ある小さな一歩を踏み出します。インドの底知れないエネルギーに呑み込まれながらも、その光と影を見つめた多感な3年間の経験は、価値観や常識を問いつつ成長した道程でもありました。 JKだからこそ感じて、JKだからこそ書けたインドの姿。ポップな表紙と面白エピソードに惹かれ読み進めていくと、最後は何だか深いところに連れて行かれるこの本が、あなたにとっても世界を知る一歩となってくれたら嬉しいです。 (宮城野図書館 しまうま) |
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