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掲載日 | 2016-11-01 00:00:00 |
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タイトル | これは王国のかぎ |
著者 | 荻原規子/作 |
著者 | |
出版者 | 理論社 |
資料の種類 | 本 |
メッセージ全文 |
「心を遠くとばして 物語がよりそう」 ヒロミ-上田ひろみは失恋をした。宮城、親友のリコ、十五歳の誕生日、ドナルドのぬいぐるみ、全部が嫌になった。自分のこともだ。こんな自分ではいたくない、自分じゃないものになりたい。気がつくとヒロミは本当にヒロミではなくなっていた。そこは見知らぬ国の見知らぬ浜辺で、目の前にいるターバンを巻いた青年はヒロミを「魔神族(ジン)」と呼んだ。 何もかもが嫌になってしまうときというのが、あると思います。気持ちがぐちゃぐちゃになってどうしようもないとき、全部を忘れて心を休めることができたら…この物語の主人公ヒロミのように本当に別の世界へ行ってしまうなんてことは、まずできません。ですが、近いことはいつでもできます。簡単です。本を開けばいいのです。 物語を読むことは、心を遠く別の世界にとばすことでもあります。登場人物に共感し夢中になって物語を追っているとき、きっと一瞬何もかも忘れています。どうにもならない心の痛みも。 ヒロミは別の世界で王国の人々とその騒動に関わり、王国の行方を見つめることで自分をとり戻します。そう、まるで物語を読むように。 (市民図書館 笹の葉) |
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