司書のオススメ
掲載日 | 2020-08-28 00:00:00 |
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タイトル | 給食アンサンブル |
著者 | 如月かずさ/著 |
著者 | |
出版者 | 光村教育図書出版 |
資料の種類 | 本 |
メッセージ全文 |
★☆★「好きなメニューはなんですか?」★☆★ 『給食アンサンブル』 如月かずさ/著 光村教育図書出版 学校生活の楽しみは、部活、友達と会えること、そしてなんといっても給食の時間! なんて思っている人は案外多いのではないでしょうか。 美貴は、訳あって東京の名門お嬢様学校から転校してきました。 でも、どうしても心の整理がつけられず、新しい生活や学校に馴染むのを拒んでしまいます。特に給食は、レストランのように優雅で豪華だった前の学校のものと比べて、安っぽく感じてしまい、憂鬱になるのです。 「ここはわたしの場所じゃない」。 もう戻れないと分かってはいるのに、意地を張ってしまう美貴。 そんなある日、いつも親しく声をかけてくれている世話好きのクラスメイトから、思いもかけないことを言われて―。 主人公は6人の中学生達。 それぞれ誰にも言えない悩みやコンプレックスを密かに抱えています。自分は子供っぽいのではないかと考え込んだり、恋や孤独に悩んだり、周りの目を気にしていつの間にか自分で自分を演じてしまっていたり…。 そんなクラスメイト6人の揺れる心が、給食をきっかけに少しずつ変化し成長する連作短編集です。 友達や自分自身と真っすぐに向き合おうとするからこそ、すれ違い、傷ついてしまう多感な中学生。給食はそんな彼らの背中を少しだけ押し、体だけではなく心の栄養まで与えてくれるようです。 各エピソードの前にはそれぞれの主人公の顔のイラストが載っていますが、表と裏の表紙にはその誰でもない顔が描かれています。それはこの本を手に取ったあなた自身かもしれません。なぜなら、これはあなた自身の物語であるかもしれないから。 さぁ、6品のメニューを召し上がれ。 (宮城野図書館 しまうま) |
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