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掲載日 | 2024-07-31 14:00:00 |
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タイトル | |
著者 | 金井真紀/文と絵 |
著者 | |
出版者 | 理論社 |
資料の種類 | 本 |
メッセージ全文 |
『虫ぎらいはなおるかな?』 金井真紀/著 理論社 ★☆★「世界を広げるのも狭めるのも自分次第」★☆★ 皆さんは、虫は好きですか?きらいですか? 今でも変わらずに好きという人もいれば、段々と苦手になってきたという人、そして小さい頃からずっと苦手・・・という人もいると思います。 この筆者は、根っからの虫ぎらい。アリがスニーカーの上を這いあがってきただけでびっくりして声を上げてしまうほどです。でもそんな筆者が虫ぎらいを克服しようと、7人の虫のスペシャリスト達の元を訪ね歩き、虫に関わる様々な謎を紐解いていきます。 そもそも何故、人は虫に対して苦手意識が生まれてしまうのでしょうか。 虫にとっては、ただ人のそばを通りかかっただけで気味悪がられたり、時には驚いて大声を出されたり、最悪殺されてしまったりといい迷惑です。 人間より小さな生き物なのに恐れられる虫の存在。その恐怖の感情を分析していくと、生き物の進化の過程まで遡り、嫌悪の感情の起源にまで迫っていきます。虫に対する苦手意識が生き物の進化や感情の起源にまで広がっていくなんて不思議ですよね。 他にも、人が虫をきらいになる分岐点や、害虫と呼ばれる虫の歴史、虫を好きになるコツなど、虫と様々な関わり方をするスペシャリスト達から話を聞いて、気付かなかった虫と人との関係の面白さを見つけていきます。 わざわざきらいなものや苦手な分野に無理をして触れに行くことは、もしかしたら必要のないことなのかもしれません。筆者も虫ぎらいを克服しようとしたとき、「無理をしなくてもいいじゃん」と慰めてくれる人がいたそうです。 ですが、「多様性を面白がられる人」を目指したとき、相手を知らずして否定的になる自分が理想に近づけているのか疑問に感じ、虫ぎらいを脱する旅を始めました。 なぜきらいになってしまったのか、どうしてそんな感情が引き起こされるのか、いつもと違う角度から向き合ってみると面白く感じられて苦手なものへの意識も少し変われそうですよね。 この本を読んで、虫ぎらいを克服できるかは人それぞれですが、ちょっとでも自分の世界を広げてみたい、ものの見方を変えてみたいという方、ぜひ読んでみてください。 (泉図書館 大豆) |
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