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掲載日 | 2023-08-25 10:00:00 |
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タイトル | |
著者 | ズラータ・イヴァシコワ/文・絵 |
著者 | |
出版者 | 世界文化ブックス |
資料の種類 | 本 |
メッセージ全文 |
『ウクライナから来た少女ズラータ、16歳の日記』 ズラータ・イヴァシコワ/文・絵 世界文化ブックス ★☆★「今日を全力で生きること」★☆★ もし突然戦争になって、いつ爆撃で死んでしまうかわからない状況になったら、あなただったらどうしますか? この本を書いたズラータさんは、美術系の専門学校に通う普通の16歳でした。しかし2022年2月24日、学校で先生から「明日から戦争になります。」と告げられ、突然日常が変わってしまったのです。 この本は、その日から2022年7月10日までの彼女の記録です。 戦争とは小説や映画の中だけのもので本当に戦争になるなんて思わなかった、というズラータさんの文からは、日本人と変わらない平穏に暮らしていた人たちが、突然戦争というものに直面しているんだということが伝わってきます。 ズラータさんは明日が見えない中、未来への希望をもって日本に渡ることを決断しました。 行ったことのない国に一人で、しかも戦争の混乱の中向かうなんて、とても不安なことだと思います。 しかし、ズラータさんには、日本の文化に対する情熱がありました。 この日記を読むと、ズラータさんが本当に日本のマンガや言葉が大好きで、日本で漫画家になりたい!と願い、そのために努力していることがわかります。その未来への思いがあったからこそ、非常事態でも決断し、行動することができたのだと思います。 明日は来ないかもしれないと思い、今日を精一杯生きようとしながら、未来のために今できることをしているズラータさんは、とても尊敬できる人だなあと感じます。 自分は悔いのないように行動できているだろうか、と常に振り返って過ごすことは、平和な国で過ごす私たちには簡単なことではありません。ですが、ズラータさんの経験が記されたこの数か月分の日記は、自分の生き方について、私たちに考えるきっかけをくれると思います。 (若林図書館 つっきー) |
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