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掲載日 2022-06-03 00:00:00
タイトル マイク
著者 アンドリュー・ノリス/著
著者 最所篤子/訳
出版者 小学館
資料の種類
メッセージ全文 ★☆★「どっちに進む??」★☆★

『マイク』
アンドリュー・ノリス/著 最所篤子/訳
小学館

 自分の本当にやりたいことや好きなことって、
 案外気付かなかったり、忘れていたりするものです。

 15歳のフロイドは、両親の期待を一身に受けながら確実に実力をつけている、将来を有望視されるジュニアテニスプレイヤー。ある大事な試合の最中に「マイク」という青年がコートの中に現れたため、集中力が途切れて試合を中断します。
 審判やコーチである父に彼をコートから出してほしいと頼みますが、どうやら「マイク」は他の人には見えないらしいのです。
 動揺して試合どころではなくなったフロイドは、精神科医ピンナー先生の元に通うことになります。
 「マイク」とは一体、何者なのか?幽霊なのか?それとも、見える自分がどうかしているのか?
 カウンセリングを重ねるうちに、フロイドは心の奥深くにある自分の本当の気持ちに気づかされるのです。

 あとがきにある[解説]には、この本についてこう書かれています。
【本当は「さかなクン」なのに自分の正体に気づかぬまま、小さなころからテニスの英才教育を受けて「錦織選手」になってしまった少年が、周囲の期待を裏切ってでもやっぱり「さかなクン」として生きることを選んだという話】
言い得て妙!まさにその通りの物語です。
 人生は“選択の連続”と言ってもいいくらい、迷うことばかりです。こっちにしよう!と確信して選んだ方が、思ったようなものではなくて後悔してしまうことや、あえて遠回りの道へ進むことだってあるでしょう。でも、そんな時に立ち止まって耳をすませば、もしかしたらあなたの「マイク」が現れるかもしれません。
 


(宮城野図書館 しまうま)